ことりログ

日々のつぶやきをつらつらと

In one of the stars I shall be living. In one of them I shall be laughing. And so it will be as if all the stars will be laughing when you look at the sky at night.

書道用紙店のおじいちゃん

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書き初めの季節ですね。
昨年からゲンが習字を習い始めて以来、
いろいろな書道展に出品させてもらっています。


もともと字がきれいで、
「こりゃ習字を習わせないともったいないよな~」
と思っていたのですが本人の気が乗らず。

やっとその気になったのが5年生。
遅いって^^;


それでも昇段のことは気にせずにのんびりやっていこうと始めたのですが、
本人がやりたいと言っただけのことはあり、めきめきと腕をあげています。



で、書道展に出品する際の用紙なのですが、
個人でその都度用意しなければならず。


教室で準備しておいてくれて、お金を払うという方が助かるのですが
まぁ仕方がない。


仕方がないのですが・・・
この用紙がまたどこでも売っているわけではないのでややこしい。


なにか指定があるのでしょうか、
市内にほんの数軒しか扱っていません。


ただうちからわりと近いところに小さいながらも用紙を扱っているお店があって、
いつもはそこに買いに行っていました。


うちの父くらいの年齢のおじいさんがやっているようで、
毎回用紙を買うたびにそばにいるゲンに
「頑張ってね」
と声をかけてくれて、ゲンもここで用紙を買うのが気に入っていたのです。



が、ある日その店の前を通りかかると張り紙が。
ドキンとして見てみると、
「閉店のお知らせ」
でした。


小さな文具店で、文具を買いに来る人というよりは
たばこを買いに来る人の方が多かったようなお店。

決して便利な場所にあるわけではないし、
駐車場がないから車は路駐。
しかも車がやっとすれ違えるような狭い道にもかからず、
次から次にお客さんがやってくるのです。



このお店の閉店のニュースにショックを受けたのは私だけではなかったようで、
これまでそのお店の話題など一度もあがったことがないのに、
話しの中に
「そういえばあのお店、閉まっちゃうんだね~」
という会話が何度出てきたことか。


みんなの心の中にずっしりと根を張っていたお店だったようです。



ところがお店が閉店して数ヶ月後、
お店の前を通ってみるとシャッターが開いている!!


もしかしたら、もう一度店を開けて欲しいという要望が強くて、
それでまた再開したのかなぁ、などと嬉しく思っていました。



そしてこの季節、書初めの季節になったので、
早速用紙を買いにお店に行ってみました。


すると・・・


お店の中の商品はほとんど残っておらず、
やはり、今は暫定的に開けているという感じが否めません。


肝心の用紙ももう売り切れていて、
申し訳ないと恐縮されていました。


もうこのご夫婦にお会いできないのかなぁと思うとさみしくなり、
子供がお父さんに声をかけてもらえることを、とても喜んでいたのですよとお伝えしました。


すると、
おじいさんは悔しさがいっぱいの顔になって、こんな話をしてくれました。



5年前、急に視界が狭くなり、診察を受けたところ難病指定にされている病気だったこと。
徐々に視野が狭くなり、いずれは失明してしまうこと。
今の医学ではどうにもならないこと。


思いがけない重い話に、かける言葉も浮かびませんでした。



でもおじいさんは明るく
「このあいだノーベル賞をもらったIPS細胞ってあるでしょ? あれがね、今のところ一番の希望なんです」
と。


今は順番待ちで、自分の病気は2番目なのだと。
だから自分が生きているうちには無理だろうと。


でも、諦めずに頑張っている。
そのために、運動はできないけれど、毎日プールに通って体力をつけている。
プールならコースロープがあるから視野が狭くても大丈夫だから。

そしてもし、臨床実験があるのなら、
自分はもう先が短くないのだから、ぜひ自分を実験台にしてもらいたい、と。




先日のノーベル賞授賞式の際、山中教授は
「ノーベル賞は過去の事。科学者としてこれから、すべきことを粛々とやっていきたい」
とおっしゃっていました。


きっとこういう患者さんの声が届いているのでしょうね。



ご夫婦は終始明るく、難病を抱えているとは思えないほどでした。
かえって私の方が元気をもらってしまったような。


せっかく来てもらったのに申し訳ないと、
子供にとお菓子をいただいてしまったし。


こういう年代の、こういうお店がなくなっていくのは本当に悲しいです。
うちの近所にはコンビニがあるけれど、
何度通おうがお店の人とは仲良くなれないですもんね。


お二人とも体もシャキシャキしていたし腰なんてこれっぽっちも曲がっていないし。
聞けば75歳だそうですが、
とにかく気持ちが前向きなのにはパワーをもらいました。


山中教授の研究が、ぜひとも役に立ってもらいたいものです。



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