ことりログ

日々のつぶやきをつらつらと

In one of the stars I shall be living. In one of them I shall be laughing. And so it will be as if all the stars will be laughing when you look at the sky at night.

私のためのバイオリン

12


年末にバイオリンの発表会が終わってから、
2週間ものあいだ、バイオリンに触れることがなかったタク。


その気持ちは・・・
なにもタクだけではありません。
私だってもう、
「バイオリンの練習をしたら?」
と言う気持ちになれませんでした。



発表会で手痛い失敗をし、お互いもう立ち直れなくなっていたのです。




ゲンは2日ほど休んで練習を再開しました。
こちらも冷やっとした場面が数回、過去最低の出来でした。


それでも
「来年はこんなミスのないよう、しっかり練習する!」
と早々に誓い、自ら練習に取り組み始めました。


が、タクは・・・




確かに難しい曲を与えられたのは確かです。
タクの技量では、相当の練習をしないと無理。


でも、あんな大曲(メンコン)を弾ける機会なんてそうあるものではありません。
それは本人もわかっていて、取組む気持ちは十分あったのですが・・・


決定的な練習不足。
その練習不足が不安を呼び、さらに緊張を呼び。


練習する時間がたくさんありました。
ただやらなかっただけ。


言われて当然のことですが、その時のタクには傷口に塩を塗りこむことだったようで、
バイオリンを始めて10年、初めて
「バイオリンをやめようかと思う」
という言葉を口にしました。



私もその時は
「練習する覚悟がないなら無駄だからそれでもいいんじゃない?」
と思いました。


もう・・・いいかな、と。



正直、このままバイオリンを続けたところでどうなるとも思えないし、
今回初めて、「才能」というものの存在に気付かされました。



タクにはバイオリンの才能・センスが皆無。
いくらレッスンを続けたところで、本人が人以上に練習する子ならまだしも、
それができないのなら、いつまで続けても仕方ない、
本気でそう思いました。



年が明け、レッスンの日。
このまま続けるならば、その日から新しい曲が渡されます。


辞める気ならば、新しい曲をもらっても仕方ないのだから、
もう続けないことを先生に伝えるようにと言いました。


「ボクが言うの?」
と言いながらも、先生に伝えた様子。


そのことを聞いて、涙が止まりませんでした。



どうして辞めろなんて言っちゃったんだろう?
どうしてもっと励ます側に立ってあげられなかったんだろう?
一度失敗したなら、どうして「次はガンバレ」と言ってあげられなかったのだろう?


湯船につかり、声を抑えながら泣きました。
涙が次から次にあふれて、自分でもびっくりするほど止まりませんでした。



そこでやっと、今さらやっと気づいたのです。
あぁ、タクにはバイオリンを続けさせなきゃならなかったんだ、と。


下手とか才能とか、そんなことは関係ない、
タクとバイオリンは、もう切っても切れないものになっていたのだと。


私は甘かった。
タクがバイオリンを手放すなんて思わなかった。

なんだかんだいって、しがみついていると信じていた。


だけど、そのバイオリンを手放す決心をしたほど、
タクの心は折れてしまったのだ。



全てが終わった後でそんな簡単なことに気付き、自分が本当に情けなくなりました。



本人は、
「ボクはバイオリンが好きだと思う。でも大人になって、またバイオリンが弾きたいと思った時に、
その時にもう一度レッスンを受けるとか市民オーケストラに入るとか、その時にまた考えたい」
と言っています。


晴れ晴れとした顔でそういうので、本当はそれを受け入れなきゃならないのでしょう。
でも・・・到底受け入れられなんかしません。



だって、タクのへたくそな演奏と、私の怒鳴り声はもう、生活の一部になってしまっていて、
切り離せないのだから。



こうなったらもう、土下座でも懇願でもして、続けてもらうしかありません。
恥ずかしいなんて言ってられません。


そのことでまたタクがいい気になるかもしれません。
「ボクはやめようと思ったのにお母さんが言うから」
って。


でもそれでいい。
あと2年、タクが家にいる間は、へたくそなバイオリンでも、家に流れている方がいい。



昨日、偶然近所の年配の方と立ち話をしていて、
「最近、タク君のバイオリンの音が聞こえないじゃない?」
と言われてビックリしました。



そうだよねぇ。
うちの中だけにタクのバイオリンの音が流れていたんじゃないんだよね。
近所の人にとっても、迷惑だっただろうけど、日常になっちゃってるんだよね。


あやうくご近所さんの前で涙を流すところでした、危ない危ない^^;



あと2年、もう2年しかないのだから、
とにかく、タクにはバイオリンを続けてもらおう。

私のために、私が聞きたいからだけのために。



意地っ張りで強情な母さんは、やっと結論が出たのでした。
・・・遅すぎ^^;



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12 Comments

通りすがり says...""
泣ける。まじで泣ける。えーん。

ところで、なんであと2年?
2013.01.18 16:34 | URL | #- [edit]
says..."管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013.01.18 22:00 | | # [edit]
★通りすがり様 says...""
通りすがりさん、ありがとうございます^^;


なぜあと2年なのか、それは
家にいるであろう時間があと2年だと思われるからです。

まぁ、すべて受かった大学で大きく変わってくるでしょうが^^;
2013.01.19 10:04 | URL | #- [edit]
もぞもぞ says...""
こんにちは!久しぶりに遊びにきたら、こんなことになっていたなんて!!!
絶対に辞めないで〜うちのようなヨタヨタがドッペルが弾けるようになったのはKotoriさんのおかげです。タクくんはきっとまた弾きますよ!!
2013.01.19 10:18 | URL | #- [edit]
★鍵コメ様 says...""
鍵コメさん、ありがとうございます、
こちらこそ涙・涙です・・・


どうしてこんなに私の気持ちがわかっていただけるのか、
本当に驚いています。
もう・・・おっしゃっていただいたこと、そのまんま!!です。


私の押し付けで始めてもらったバイオリン、
それをここまで続けてくれたことを、私はむしろ感謝しなければならないんですよねぇ。
そのことにやっと気づかされました。

私がこういう気持ちを常にもって接していれば、
タクのバイオリンに対する姿勢もかわったのかも・・・と反省しました。

いつもダメ出しばかりして、
それがいくらいい演奏を引き出すためと思っていても、
ダメ出しされる方はたまったもんじゃないですよね。
タクだからこそ、ここまで続いたのかもしれませんね。

>ダメだった自分を癒す曲もあるんだって
ここには胸が震えました。
タクにもそうなって欲しいです。
私もフランクのバイオリンソナタが聞きたいです~!!


的外れなんてとんでもない!
まさに私の気持ちを客観的に表現していただけて感謝です。

私も、LOVEですよ~、鍵コメさん♪
2013.01.19 10:26 | URL | #- [edit]
★もぞもぞ様 says...""
もぞもぞさ~ん、そうなんです、こんなことになっていたんです・・・うぅぅっ。

とりあえず今は、
「最後までキチンとメンコンを弾きたい」
と言って、それができたらやめるつもりみたいなのですが・・・

先生には、
「メンコンが終わったら、次はこの曲はどう?って新しい曲を渡してくださいね」
とお願いしてきました^^;

もうこうなったらしつこくしつこくいきたいと思います。
なんとしても、高校卒業まで続けて欲しいですもん・・・くすん。
2013.01.19 10:32 | URL | #- [edit]
すみれ says...""
kotoriさま

ずっと前から読ませていただいてました。
ファンです(*^_^*)
何度かコメントしたい、と思いながら躊躇していました(ーー;)

我が家も同じ・・・です(中一男子でタクくんよりずっと低いレベルですが)。
センスのなさに毎回下手くそ!やめろ!と、怒鳴っています。
でも実際にやめられたら、わたしも寂しくて泣いてしまうと思います。

下手だけど、母にとっては、大切な音なんだと改めて思わされました。
メンコン、憧れです。
フランクも本人が昔憧れていたので、昨日、あとどれくらいで聞かせてくれるの?と質問したら、それは無理と言われました。
レッスンも、すでに、たま~にしかいっていないので、そろそろ辞めてしまいそうですが、母のために、下手でも弾いてほしいと思いました。

タクくんも、是非続けてください。
辞めないで!愛するお母さんのために!
私もうちの子に、なるべく、下手くそ!と罵倒するのを、我慢します。

うまく表現できずに、すみません<(_ _)>



2013.01.20 21:45 | URL | #- [edit]
★すみれ様 says...""
すみれさん、いつも読んでいただきありがとうございます。
そして、嬉しいコメントを本当にありがとうございます・・・!!


すみれさんのお宅もお子さんがバイオリンを習ってらっしゃるのですね。
お母さんのご苦労・気苦労・・・痛いほどわかりますよ!!

練習をしなきゃしないで腹が立つし、
したらしたで、
「どうして10年も習っててこのレベル?」
と腹が立つし。


言っちゃいけないけどつい、
「お金をどぶに捨ててるようなもんだよ」
と、売り言葉に買い言葉で言ってしまします(反省)。

でもね~、実際に辞めるとなると本当に本当に辛いです。
体の一部をもぎ取られるような感覚でした、決して大げさではなく。

すみれさんもおっしゃる通り、もう子供のバイオリンは
「大切な音」
なのです。生活の一部になってしまっているんですね。


きっとね、上手い下手はもう関係ない次元なのだと思います。
不思議なものです、本当に。


昨日もメンコンを弾いていたのですが、
発表会というプレッシャーが解けたせいか、いい音を出していました。
(あくまでもタクレベルのいい音ですけどね^^;)
でも母の胸にはグッとくるものがありました。

すみれさんも大変でしょうがぜひ続けて下さい。
そして、「下手くそ!」と罵倒するのは全然OKですが(え)、
「辞めちゃえ」だけはぜひ堪えてくださいね。
私の失敗の教訓です。


すみれさん、ありがとうございました。
お気持ちは十分伝わりました。
私も元気が出てきました!
2013.01.21 11:15 | URL | #- [edit]
ちえ says..."kotoriさんの気持ちが伝わると良いですね"
あ~、そんな事になっていたとは…

先日は不用意なコメントでしたね(> <)

我が家も親の意向でVnを習い始めたので、
やめるタイミングが難しいかも;

それでもタク君がVnを好きと言ってくれるのは
救いですね。

10年習い続けるのって、なかなか出来る事ではないと思います。
うちはまだ習い始めて二年ですが、それでも続ける事に意義があるのだなぁ、
としみじみと感じる事があります。

お母さん思いのタク君だから、kotoriさんの気持ちを伝えれば、
「仕方ないなぁ、もう母さんったらぁ」と言ってあと二年続けてくれないですかねぇ・・・

だって、まみこ先生とのひとときは、タク君にとっても魅力的なはず!
2013.01.23 10:53 | URL | #- [edit]
★ちえ様 says...""
ちえさん、不用意だなんてとんでもない!!
誤解させてしまうような書き方をしてしまってごめんなさいね^^;

あくまでも家庭内だけでのことなのでご心配なく。


あれから特に今後のことを話すことなく来ていますが、
一応練習はしてくれています。
毎日とはいきませんが、それも今となっては十分だと思えるようになりました。


ちえさんがおっしゃる通り、こういった習い事って、
「続けることに意義がある」
と思うんです。


ずっと漠然とそう思っていたのですが、
今回のことで心からそう思います。


小学校の頃って、男の子でもピアノ等を習っている子が多いけど、
大部分が中学進学時にやめますよね。
高校生になるとさらにやめていく子が多いかと。

でも、音を表現するのって、中学生からだと思うし、
さらに言えば高校生からだって思っていたのです。

小学生の時にやめてしまったら、
「昔習ってたけど今は弾けない人」になってしまうし、
中学校の時にやめてしまったら
「弾けなくはないけれど、上手には弾けない人」で終わってしまうと思ったし。

実際問題としては、家にいられる高校生までが習い事の終点だと思っています。
それ以上は本人がどうするかで決めればいいし、
それまでは親が責任を持って続けさせるべきなのでは?と思い続けてきました。

今、まさにそうだと思えます。
あの二年、なんとか続けて欲しいです。


マミコ先生とのレッスンって、
親とは違う大人と接することができる貴重な時間ですよね。
ましてやドイツ留学の経験もある先生なので、「本物」にいろいろなことを教えてもらえる、
数少ない大事な機会です。

マミコも続けることを強く希望してくれているので、
先生と裏でタッグを組んで(笑)、なんとか続けられればなぁと思っています。
2013.01.24 11:27 | URL | #- [edit]
アムリタ says...""
こんにちはー。いつも読ませていただいています。コトリさんのお気持ちあまりにわかり書き込みさせていただきます。うちはバイオリンじゃなくてピアノです。娘は小学校1年から高校2年生の今まで習い続けています。それはもちろん私の意向。同じようにピアノは嫌いじゃないみたいですが好きでもなく練習も大嫌い。娘がピアノを止めたいというたびにいろいろわがままをきいてきました。私のためのピアノ。うちは高3の発表会でお終いととうとう約束されてしまいました。その日が来てほしくないけど。もう仕方がないですね。あまりに同じで涙がいっぱい出ました。
2013.01.24 16:20 | URL | #- [edit]
★アムリタ様 says...""
アムリタさん、ありがとうございます。

小学校1年の時からということは、うちとほぼ一緒ですね。
長い間、いろんなことがありましたが、
ゴールが見えてきた今、どうしてもっと・・・という思いで一杯です・・・

バイオリンは大好きらしく、
「社会人になっても趣味で続ける」と言っていますが、
それはそれ。
私は今、弾いていてほしいの・・・

これからは大学受験も見据えなくてはならないし、
決して要領よくあれもこれも出来ない子なだけに 複雑な思いです・・・

アムリタさん、共感していただけて嬉しいです。
ありがとうございます!!
2013.01.28 14:52 | URL | #- [edit]

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