ことりログ

日々のつぶやきをつらつらと

In one of the stars I shall be living. In one of them I shall be laughing. And so it will be as if all the stars will be laughing when you look at the sky at night.

介護の作文

4

冬休み中のことです。
アニーが宿題の追い込みでヒーヒー言っていました。


作文はアニーにとってさほど大変な宿題ではない様子。
文章を書くのが好きなようだし、読ませてもらうと視点がなかなか面白くて、
言葉の使い方も新鮮。


ただ、学生の時って当然のことながら、
作文を書くには必ず「お題」があるわけで。


私は昔から、散文を書くのもお題作文を書くのもさほど苦労した記憶はないですが、
自由人のアニーには、
「〇〇について述べよ」
な作文が嫌みたい。


でも嫌だとは言っていられないから頑張ってもらわないとね。


で、冬休みの作文。
今回のお題は
「介護」
だそう。


一口に介護の作文と言っても、切り口はさまざま。
それに、アニーは「介護の作文」と ごくシンプルに言ったけれど、
多分、もう少し細やかなコンセプトがあるはず。


とはいえ、高校生の男子にとって、介護の作文というのは確かに難しいかも。
家に介護を要する人がいるのを見ているのであれば筆も進むのでしょうが、
うちのように、まだまだ両親が元気にしていてくれる場合、
「介護? は?」
という思いなのでしょう。


でも私などは、それはそれなりにいろいろ書くことは浮かんでくるし、
まだ人生経験の浅いアニーには思いつかないような方向からのアドバイスができればと、
先日の母の入院中の話を少しだけしてみました。



「介護っていうのとはまた違うかもしれないけど、おばあちゃんの入院中、
看護師さんがやってくれないことを毎日お母さんがしに行ったよ。
それをアニーの視線で書いてみたら?」


完全看護の病院ですが、どこまでも看護をお任せできるというわけではありません。
術後の入浴は完全に家族の仕事でした。



ここからえぐい話を書きます(※閲覧注意です)。

****************************






母は開腹手術をしたのですが、術後の経過が優れず、傷がなかなかふさがりませんでした。
担当医は、
「もう一度、縫い直しましょう」
と勧めたのだけど、母はどうしても嫌だという。

それもわかります。全身麻酔は辛いから。


それなら、と違う処置を提案してきてくれて、
毎日お風呂のシャワーで傷口を洗い、清潔にしてから特殊な薬を塗る、ということに。
そして入浴の補助は、看護師さんではなく家族がしなければなりませんでした。


母は「一人でできる」と言っていたのですが、
さすがに一か月近くも寝たきりで体力が落ちているところでの手術だった上に、
よろける足でお風呂なんて入って、もし骨折でもしたら・・・
と思うと、とてもじゃないけれど付き添わなければ入らせるわけにはいきません。


まず初日にお風呂に付き添って、心が折れました。

傷口を覆っているものを外した途端、ぱっくりと開いた傷からは、血が流れだし、
蒸気のこもった風呂場に血液の匂いが 一瞬にして充満しました。


あまりにも衝撃的で目をそらしましたが、
すぐに込み上げてくる吐き気。


でも吐くわけにはいかないし、ここで私の様子がおかしいと気付かれたら、
また母が遠慮することになります。


母に見えないように自分の足をつねり、吐き気を痛みで紛らわせました。










そんなことが半月近く続いたでしょうか。

傷口を見ることにはすっかり慣れて、吐きそうになることはなくなりましたが、
精神的・体力的な不安は常にありました。




************************************




父も入浴の付き添いをしてくれましたが、
母としては、やはり男の人は気が利かないから嫌だ、コトリにやって欲しいというので、
毎日入浴に付き添う生活を続けていたのです。


疲れがどっと出たのはむしろ母の退院後で、
入院中は常に気が張っていたせいか、体調を崩すことがなかったのだけが幸いでした。



入院中は、いつも
「自宅で介護している人は本当に大変だなぁ。 私にできるかな」
と思っていたし、元気でいてくれる両親に感謝するばかりでした。




そんな経験を、息子のアニーからの目線で綴ったらどうかなと思ったのです。
どう感じるかはアニーにお任せです。
アニーが高校二年生で、どう感じるかを素直に綴れば宿題は一つ完了するのだし。


ところが、です。
私の提案に、アニーは一言。



「お母さんは介護なんてしてないじゃん。 あんなの介護なんて言わないよ」







とても悲しかったです。
少し前にも書きましたが、これまで一度も入院中の出来事を話したことはありませんでした。
一度だけ、まだ手術前だった時に一緒にお見舞いに連れて行ったことはありましたが、
手術がどうだとか、傷口がどうだなんて、一言だって言ったことなかったのに。


一体、アニーは何を知っているっていうのか。
というか、何も知らないよね?
知らないのに、どうしてそんな言葉が出てくるのか。



悲しさと怒りと情けなさと、いろんな思いが洪水のようにあふれだし、
ここまでずっと封印していた、入院中に何をしていたか、どう感じたのか、
リアルに話して聞かせました。


さぞかし怖かったことでしょう。
正直、気持ち悪いとも思ったでしょう。

どう思ったかなんて知りません。
私はただ、事実を伝えただけ。



もちろん、本当の介護とは言えません。
本当の介護をしてらっしゃる方にとって、私のしたことなんて なんでもないことでしょう。


ただ、それを知りもしないアニーにああいう言い方されるのは心外です。
経験値が不足していることも気づかずに、
わずか17年の経験だけで物事を推し量ろうとする浅はかさが嫌いです。





アニーには思いやりや優しさが足りないのか?
フト不安になることがあります。


でも実際にはトートよりもアニーの方が人情味があるタイプ。
わかりにくいけれど、アニーなりの優しさはたくさん持っている子です。


虫の居所が悪い、お母さんの言い方が気に入らなかった、人から言われるのが単純にイヤ、
原因はいろいろあるでしょう。


でも、それを飲み込めないのがまだまだ経験値が浅い証拠。
それは私もしかり。


だからこそ、相手の言うことに耳を貸すということが重要になってくると思うのだけど・・・
アニーの心にはそんな気持ちがまだまだ届かないようです。



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4 Comments

うーさんママ says...""
アニー君の考える介護の定義はどんなものかしら
治る患者に対しての看護と治らない対象者の死で終わる介護って感じ方をしているのかもしれませんね。
大好きなおばあちゃんだからこそ介護の対象者として語られたくなかったっていう気持ちもあるのでは。
私の両親も夫の両親もまだ無事に暮らしていますが、やはりあちらこちらに見える老いの気配に受け入れなくてはと思いつつ拒否したい私がいます。
そんな気持ちかもと思い書いてみました。
アニー君本人ではないから違うかもしれないけれど、病院に通って一生懸命頑張っていたことりさんの姿を否定するような子とは思えないので。
2014.01.28 08:47 | URL | #- [edit]
ベス says...""
おはようございます。

マミちゃんことお母様・・・随分と長い間患われて、大変な想いされたのね。
その後、今のお加減は?落ち着かれたのだといいのだけれど・・。

kotoriさんも、実親とはいえ、本当に大変な経験をされたのね。
お母様も、お父様、妹さんも、本当に心強かったでしょうね。

kotoriさんから伺う、お元気な”最強!それいけマミちゃん”のお話し(武勇伝)の数々・・・。
先に生きている分、親は、老いるし、病気やケガがあるって頭では分かっていても、自分の親が、実際に床に伏している状態や、支えが必要な状態だったりと、弱っている姿って、認めたくないっていうか、なんていうか。何とも言えない気持ちにならない?いつまでも元気な親の姿を追い求めてしまう・・・。
そういう複雑な気持ちを抱えた上での今回の付き添い。精神的にも肉体的にもきつかったでしょ?(その上でのお年玉の件・・・Wショックだったでしょ。)
『親子なんだからあたりまえ』ではなく、よく頑張られたねkotoriさん!

それをさ~・・・、アニー・・・
わかる、うちの息子も(あ、無事に第一志望高校合格しました。応援メッセージありがとうございました。これからも色々教えてくださいませ。)全てにおいて”あっさ~い””未熟な”経験値でもっともらしく、小馬鹿にしたこと言うから、本当に本当に腹が立つ!!
『15歳そこそこのお前に何がわかる~!!だからお前は”浅はか”なんじゃい!!』って。
うちの息子とアニー君を同列に比べるのはアニー君に失礼で申し訳ないけど
こんな”考えの浅い”人間が、世の中でやっていけるのか・・・。

最後は息子の愚痴で終わってしまった・・・。ごめんなすって
2014.01.28 10:04 | URL | #- [edit]
うーさんママ様 says...""
あ~、その通りかもしれません。
介護という意味は、寝たきりとか重篤な場合の言葉だと思っているかも。
そして、それを自分のおばあちゃんを対象にするのが嫌だったのかもしれません。

冷静に考えればそうもとれたのでしょうが、
いかんせん、一瞬にして頭に血が上ってしまいました(´-ω-`)

うーさんママさん、アニーをそんな風に見てくれてありがとうございます。
私も、アニーがそんな冷たいことを言う子だとは思えないので、
その辺のギャップで戸惑っているという感じです。

売り言葉に買い言葉、私もアニーも注意しなければならないのかもしれませんね。
2014.01.28 16:54 | URL | #- [edit]
ベス様 says...""
ベスちゃん・・・ありがとう(ノД`)・゜・。
なんか・・・心のもやもやが、スーッと溶けて行った気がします!!
そういう言葉を、心のどこかでかけてもらいたかったんだね、私。
あまちゃんだわ・・・(誰?誰役? 私は・・・水口!)


母はね、面白い人なんです。
面白いというか・・・究極の世間知らず?^^;
だからこその面白さ、だからこその、周りに、いや、父と私に降りかかる迷惑(´-ω-`)

それもこれも、すべて長い年月の間に折り合いがつきましたけどね。
いろんな思いが渦巻いた三ヵ月でした。


経験値が浅いのは子供だから当たり前なのだけど、
老いていく私と、伸び盛りの自分、
そこにつけこんでバカにされるのがたまらなく悔しいのよね。
何も知らないくせに!! とついつい言いたくなります(言うけどね)。

アニーとは、お互いが引くことが出来ずに出るばかり。
トートはまた違うんだけどね。
トートは物分かりがいいから、こちらが我慢してあげたいと思わせるけど、
アニーの奴のために、なんだ私が? と思っちゃうのよ^^;

私もまだまだ経験値の低いあまちゃんだわ・・・(で、誰役? 太巻きもいいなw つか男かよっ)


長男君、おめでとう~^^
良かったねw 楽しい高校生活がおくれるよ、きっと(#^.^#)
嬉しい知らせを聞いてほっとしました。
ありがとう!
2014.01.28 17:03 | URL | #- [edit]

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