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三者面談・後編

「泣く準備は出来てるか」

教室に入るなりそう言われ、
私の闘争心はいっきに折れた。

その後15分間、みっちりタクの悪口を聞かされる。
どの話も一方的で、タクの側にはまったく立っていない。

その中の話の一つに、普段は仲がいい女の子と、ちょっとした事で小競り合いになり、
その女の子は本気で怒ってタクに馬乗りになって殴りかかるのだという。
その女の子は体も大きく、周りが見ていて「いつかは怪我をする」というほどのレベルだと先生は言う。

「タク君、先生はね、○○さん(女の子の名前)がタク君に怪我をさせちゃって、
○○さんの親がタクくんちに謝りに行く事にでもなったら嫌なんだよ。
○○さんがかわいそうだもん。
でもさ、先生、その時は○○さんのお母さんに言っちゃうかな、『悪いのはタク君です。
○○さんが殴るのは仕方がありません』って」

今、こう書き出してみると、どんなにひどい事を言われたのかよくわかる。
でもその時は、タクが悪いとしか思えなかった自分が悔しい。

例え殴られた原因がタクにあったとしても、
殴った女の子を養護するのって正しいのだろうか?
それに、「このままじゃいつか怪我する」って、
その前にどうして止めに入らないのか。

これは話の中のほんの1つのエピソードで、
どれもこれもタクを悪く言う話ばかりだった。

タクって・・・そんなダメ人間だろうか・・・?
そこまでひどく言われるほど、クズな人間なの・・・?

まるで魔法がかかったように、
タクが悪いと信じ込んでしまったのだった。

もちろん、タクが悪い所はたくさんあるだろう。
しつこいのも悪いだろうし、相手の気持ちを推し量れなかったのも悪いと思う。
でも、先生の態度はどうだろうか。

面談から1週間以上たった今、
タクがどうの、担任がどうのというよりも、
私自身が、タクのいるステージを変えてみたくなった。

このまま地元の中学校に行けば、
クラスメイトは同じ。
タクをよく思わない人達が、タクを知らない人にまで悪く言うだろう。

そして、公立の小学校の先生がそうだったように、
公立の中学校の先生もまた、タクを理解してはくれないだろう・・・

ステージを変える。
タクを知らない場所に行ってみる。
それは、私立の中学校だ。

私の心の中で、
違った角度から私立中学が見えてきた瞬間でした。


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